厚生労働省通達「レーザ光線による障害の防止対策について」では、400〜700nmの波長以外のレーザ光線を放出するクラス3Rのレーザ機器とクラス3B、クラス4のレーザ機器用いた作業における安全予防措置のうち作業管理等の部分において「レーザの種類に応じたレーザ保護メガネの着用」を規定しています。
(1)レーザ出力波長の確認
(2)レーザ出力確認
CW出力の場合 : 出力
パルスの場合 : 1パルスあたりのエネルギー、パルス幅、パルス繰り返し周波数等
(3)MPE(最大許容露光量)の算出
(4)最大暴露光持続時間の決定
(5)最大放射露光量の算出
(6)必要光学濃度の算出
(7)(可視光レーザの場合はビームを見る必要の有無の確認)
(8)(保護メガネの形状の選択(矯正メガネの着用の有無))
MPEは直接照射された場合、障害が発生する確率が50%と推測されるレーザ出力の1/10の強度と定義され、
人体にとっての一つの安全レベルを示す数値です。
MPEはレーザの波長と露光時間の2つの軸で定められますが、MPE値は規定の面積でならしたパワー密度(W/m2)またはエネルギー密度(J/m2)で与えられるので注意が必要です。
この面積は限界開口径で与えられ、障害の種類等を考慮して、波長、目や皮膚、露光時間などで値が異なります。
光の透過具合を示す方法として、透過率(%)で示すのが一般的です。
一般に百分率(%)で示し、複雑になるために対数で表示します。それがOD値(光学濃度)となります。
光学濃度(OD)は光学フィルター、この場合はレーザ保護メガネを透過する入射光線の減衰率であり、下記の式で計算されます。
※ OD値が大きくなれば、入射光の減衰率は大きくなり、保護機能が高いことになります。
※ OD値が大きくなれば透過率が低くなります。
光学濃度(OD)を高く設定しているため、通常、可視レーザ光を見ることができません。
作業中同時に複数の波長をカバーしたい時に利用します。
100mW以下整備用(光学濃度OD1〜2)、10W以下(光学濃度OD4)。
光路確認・光軸調整などにご使用ください。
光学濃度(OD)と損傷しきい値を高く設定しています。