SIGMAKOKI シグマ光機株式会社

光学素子
ガイダンス
ポラライザーのアプリケーションノート Polarizers Application Note

光を直接観察する場合、直線偏光の方向や楕円度に違いがあっても差異を感じることはできません。
しかし、偏光子を使うことで、偏光状態を可視化することや計測することができます。
ここでは偏光子を取り扱う上での基本的な決まりごとについて紹介します。

偏光子の偏光軸の確認方法

偏光板に印が付いてない場合や偏光軸(偏光方向)が分からなくなった場合に偏光方向を簡単に確認する方法があります。
ワックスの効いた光沢のある床や、スベスベな机を遠目で眺めると窓からの斜光が反射して見えることがあります。
この反射光を使って偏光子の偏光軸を確認します。
偏光子でこの光を覗きながら偏光子を回していくと、床からの反射光が明るくなったり、暗くなったりを繰り返します。
反射光が暗くなった時の偏光子の上下方向が偏光軸となります。
特別な場所や道具を使わなくても、偏光軸が縦か横かは、この方法で判別ができます。


偏光の基準座標の決め方

偏光は、円偏光に見られるように、光そのものには決まった座標系を持っていません。
しかし、光が物質に当たったとき、その物質の持つ座標系で偏光状態を考えなければなりません。
このため、座標系の基準をどの方向にするかは、実験に使用する試料や実験目的によって異なります。

(1)基準になる偏光軸がある場合

レーザや偏光子などの偏光軸を持っているものを基準にする場合、固定されたレーザや動かすことができない偏光子がある場合は、これらの直線偏光の偏光軸を基準にします。偏光の特性を利用すれば、他の偏光素子の軸を高精度に合わせることができます。

偏光子の場合

偏光子2を回し、基準にした偏光子1を通った光(直線偏光)が消光するように調整(消光法)します。
このときの偏光子の角度目盛を90度に合わせます。

複屈折試料(波長板)の場合

基準になる偏光子1(またはレーザ)と別の偏光子2を準備し、基準の直線偏光と偏光子2が消光する状態を作ります。
偏光子1(またはレーザ)と偏光子2の間に試料を入れます。
試料を回転させ、最も暗くなる方向が試料の光学軸になるので、その方向で試料の角度目盛を0度に合わせます。


(2)テーブルに鉛直な方向に偏光軸を合わせる場合

特に偏光の基準を設けていない場合や、全ての素子が任意の方向に光学軸や偏光軸を変えられる場合など、とりあえず偏光軸をテーブルに鉛直に向けて使う場合があります。

素子の偏光軸が未調整の場合

基準になる偏光子を決め、その偏光子の目印や簡易的(例えば最初に示した方法)に確認した偏光軸を目分量でホルダーの垂直方向に合わせ、その偏光子の角度目盛を0度に合わせます。他の素子はこの偏光子を基準にして、(1)の手順で調整を行います。

偏光軸の調整を依頼した場合

ご注文の時にホルダーへの組込みを指示いただければ、偏光子の偏光軸を90度方向に合わせて出荷します。
波長板はfast軸を90度方向に合わせて出荷します。
個々のホルダーには素子の組込み誤差や、ロッドスタンドの取り付け誤差が生じるので、素子間で±2〜3度の偏光軸や光学軸の誤差が生じます。

(3)試料台に垂直な軸を偏光軸に合わせる場合

コーティングされていない(汚れていない)直角プリズム(BK7材)を1つ用意します。
このプリズムの研磨された斜面を入射角度56.6度程度になるように水平な面に配置します。
偏光子を通した単色光源を入射させ、偏光子を回転させながらプリズムから反射した光の強度変化を観察します。もし、入射角度がブリュスター角度(56.6度)に合っている場合は、反射光が消える偏光軸の方向が見つかります。
プリズムからの反射光が最小になる偏光軸は、プリズム面に対しP偏光になるので、この偏光子の角度目盛を90度(または0度)に合わせます。
他の素子はこの偏光子を基準にして、(1)の手順で調整を行います。


(4)反射体に対し偏光軸を合わせる場合

反射体の試料の場合は、反射面とレーザの入射する方向で偏光軸が決まります。
反射面の法線とレーザの光軸が作る平面内で振動する偏光軸をP偏光、これと垂直に振動する偏光軸をS偏光と呼びます。
反射体の試料の代わりに、コーティングされていない平行平面基板(BK7)を設置します。
平行平面基板に対し、レーザの入射角度がブリュスター角度(56.6度)になるように光学系を設置します。
光学系に偏光軸の基準にする偏光子を入れ、偏光子を回転させながら平行平面基板に反射した光の強度変化を観察します。
平行平面基板からは表面の反射と裏面の反射の2つの反射光が観察されますが、表面の反射光を観察します。
(3)と同様に反射光が最小になるように偏光子の偏光軸を合わせ、その時の角度目盛を90度(または0度)に合わせます。
平行平面基板を取外し、直線光軸上で他の素子を(1)の手順で調整を行います。
反射体を設置し入射角度を設定して、上記で調整した素子を使って光学系を構成します。