SIGMAKOKI シグマ光機株式会社


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光学屋さんのまめ知識
011|フェムト秒レーザ

レーザには様々な方式が有りますが、今回は近年注目されているフェムト秒レーザについてお話します。

そもそもフェムト秒って何?

フェムト(femto, 記号:f)は国際単位系(SI)における接頭辞の一つで、基本単位の10-15倍の量を示します。基本単位が秒ですから、1フェムト秒は「1000兆分の1秒」となります。もう少し想像しやすくするために、光を例に考えてみましょう。
光は真空中で1秒間に約30万キロメートル(およそ地球を7周半)進むことができますが、1フェムト秒では光でさえわずか1万分の3ミリメートル(0.3ミクロン)しか進めません。それ程に極短い時間が「フェムト秒」なのです。


ではフェムト秒レーザって?

レーザには連続して発振する「CWレーザ」と一定のパルス幅で発振する「パルスレーザ」があります。フェムト秒レーザはパルスレーザで、そのパルス幅がフェムト秒レベルのレーザです。
レーザ強度はI = E / St で表されます。Eはパルスエネルギー、Sはビームスポットの面積、t はレーザパルスの時間幅です。この式からもわかるように、フェムト秒レーザは、エネルギー総量はさほど大きくなくとも、そのエネルギーをフェムト秒レベルまでに圧縮しているので、凄まじいレーザ強度を持つことになります。


パルス幅がフェムト秒になると何が出来るの?

主なアプリケーションとしては、微小時間内での観察用光源と、微細加工が有ります。

前者の例として、超短時間の発光を利用し、分子の結合や離反といった化学反応の進行状況(遷移状態)をストロボ撮影のように観察する、フェムト化学(femtochemistry)などがあります。
後者の微細加工ですが、通常の加工に用いられるCO2レーザやYAGレーザなどと違い、非熱加工であることが特徴です。

加工対象物にCO2レーザやYAGレーザを当てると、分子が光エネルギーを吸収して振動し、熱エネルギーに変換されて溶融・蒸発することで加工されますが、フェムト秒レーザの場合は光エネルギーで分子結合を切断し、周辺部分に熱拡散せずに分子を除去する「アブレーション」という現象で加工することができます。他にも照射部分だけ密度を変えたり、波長以下の微細構造を作るなどの特殊加工も可能です。

フェムト秒レーザを使う時の注意点は?

フェムト秒レーザを加工や計測に使用する際に、通常のミラーを使用すると、わずかではありますが、反射時に波長の分散が発生し、パルス幅が広がります。
通常のレーザでは問題になりませんが、フェムト秒レーザではパルス幅に大きく影響します。


フェムト秒レーザの特性を生かすためには、反射時に発生する波長の分散を極力押さえたミラーが不可欠となりますが、
分散を考慮したコーティングは、大変高度な設計ノウハウと製造技術が必要となります。

シグマ光機では研究開発分野で培われた技術力と、産業分野で鍛えられた品質管理体制で、「フェムト低分散ミラー」および「フェムト負分散ミラー」を標準化しております。フェムト秒レーザを使用する光学系に必須のフェムト秒レーザ用ミラーから、フェムト秒レーザの特性を活用した「レーザ直接微細加工機」まで、お客さまの目的に合わせたソリューションを用意しております。

詳しくは営業部までお問合せください。