SIGMAKOKI シグマ光機株式会社


コミュニティ
メカ屋のつぶやき
006|ものづくり、柔らか発想、固い意志

当社にお問合せいただくのは主に研究開発機関の方や企業の開発部門・生産部門の方が多いのですが、個人の方のお問合せもいただくことがあります。
以前から顕微鏡や望遠鏡を自作したいのでレンズが欲しいとか、おそらくプロの方と思われますが、撮影用に市販品にない特性のフィルタが欲しい等に加え、最近は3Dプリンタ普及のせいか、DIY目的と思われる機構部品のお問合せなどが増えているようです。

今回のつぶやきのきっかけもそんな個人の方からのメールで、昆虫や花のマクロ撮影を趣味とされている方からのお問合せをいただきました。
通常の撮影だけでなく深度合成を試みており、小さな対象物で少しずつフォーカスを変えて何枚も撮影するには市販機材だけでは限界を感じていたところ、一般社団法人 日本自然科学写真協会様のこの記事を見つけて当社にお問合せいただいたとのこと。
旧製品ではありますが、当社の手動XY軸ステージを使用されています。

この写真を拝見して、XY軸ステージを天地逆にしてご使用されていることに感心しました。

まず、マクロ撮影ということで、浅い焦点深度(カメラだと被写界深度)を調整するため、マイクロメータのステージを選定されています。この場合、対象物が小さいためカメラ及びレンズを下方へ向けることになりますが、ファインダ側から操作できるようマイクロメータを手前にして通常の向きで取り付けますと、テーブル面をマイクロメータ側へ引っ張っているバネだけでは重量を支えきれなくなります。
こういった用途用として当社製品では垂直面取付用ステージを用意しておりますが、対象が小さなものの撮影ですから左右方向のステージも必要です。汎用のXY軸ステージを選定されていますが、上記の問題をクリアするためマイクロメータに荷重がかかるように天地逆に設置されています。言われてみれば何ということはないのですが、専門になればなるほど固定観念にとらわれてしまいがちですので、この柔軟な発想力は重要です。

そして、このXY軸ステージの取付規格は50mm角M4ネジ、三脚やカメラは1/4-20UNCや3/8-16UNCで、両者を変換するような市販品はありませんからワンオフで作られたものと思われます。

必要は発明の母といいますが、感心した部分を整理すると次のような感じでしょうか。

・要求項目の取捨選択→論理思考による整理
・要求機能と性能の具体化→知識・技術の蓄積
・市販品の効果的な活用→情報収集スキル
・無ければ作る→遂行力

「これ!」と決めたあとは、実に手堅いプロセスを取られたことが想像できます。
ものづくりに携わるものとして、基本に戻り、上記を心がけたいと思います。

なお冒頭のお問い合わせの件ですが、右図のように規格品のXY軸ステージ(TSD-602S)高さ調整スペーサー(MSP-6015C)の追加工品(カメラ固定用の3/8-16UNCネジ通し穴)、三脚の3/8-16UNCネジをステージのM16P1ネジに変換する回し穴付き円盤型部品(新規製作品)で提案させていただきました。

今後もお客様の柔軟な発想を具体化するために、標準品の組み合わせの提案や特注品での提案を含めて対応させていただきたきます。
お気軽に営業までお問合せください!




一般社団法人日本自然科学写真協会様のWEBより